2023 RACE REPORT-レースレポート-

2023 FIMスーパースポーツ世界選手権(FIMスーパーバイク世界選手権)
Round5 Pirelli Emilia-Romagna Round レースレポート

Result / Superpole “26番手” Best Time “1分39秒900”
Race1 “20位 ” Best time “1分40秒280” / Race2 “27位” Best time “1分40秒415”

--チャタリングや不運に見舞われたレースとなるも、2レースとも完走を果たす--

2023.6.6

Race Report

 スーパースポーツ世界選手権(WSSP)第5戦エミリア・ロマーニャラウンドが、6月2日~4日、イタリアのミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで行われた。ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリはイタリアの北東部、アドリア海近くに位置するサーキットだ。今大会には7万人以上の観衆やMotoGPに参戦するイタリア人ライダーなどが現地を訪れ、盛り上がりを見せていた。

 エミリア・ロマーニャは、岡谷雄太(ProDina Kawasaki Racing/カワサキZX-6R)にとって、2022年のレース2で2位表彰台を獲得したラウンドである。今大会、WSSPで挑んだ初めてのエミリア・ロマーニャラウンドはチャタリングやアンラッキーに見舞われたレースウイークとなったが、そんな中で岡谷は2レースともに完走を果たし、WSSPでの経験を重ねた。

 初日のフリー走行1では、周回を重ねるにつれてチャタリングの症状に悩まされた。エミリア・ロマーニャラウンドに向けて変更されたサスペンションのセッティングが原因だった。また、チームがバイクに施したセッティングと岡谷のペースが噛み合わない、という状況もあった。しかしそれは、岡谷がコース上で記録するラップタイムがチームの想定を上回っていたからこそ起きた齟齬だった。

 土曜日に行われたスーパーポールは1分39秒900を記録して26番手。岡谷自身が想定していたタイムよりも1秒ほど遅いもので、初日にセッティングが合わないまま走行を余儀なくされたフリー走行1が、予選タイムに影響した形となった。

 迎えたレース1は、好スタートを切って24番手付近につけ、集団でのポジション争いを展開した。しかし7周目以降に再びチャタリングの症状が出たことでバイクを止めることが困難になり、我慢のレースを強いられる。岡谷は苦しいレースを走り切り、20位でゴールを果たした。

 レース2は1周目の4コーナーで他ライダーに接触され、避けようのない転倒を喫することになった。幸い岡谷自身に大きなけがはなく、ピットに戻ってバイクを修復するとレースに復帰。不運なレースとなったが、27位で完走した。

 WSSP第6戦イギリスラウンドは6月30日~7月2日、イギリスのドニントンパーク・サーキットで行われる。

・岡谷雄太コメント

「フリー走行1はチャタリングによって全く感触がよくなくて、転びそうになるくらいでした。フリー走行2では改善されてやっと攻められるようになったのですが、フリー走行1で何もできなかったので、このレースウイークはそのロスが大きかったですね。レース1ではスタートから7周目くらいまではよかったのですが、そこからチャタリングの症状が出て、バイクが止まらなくなってしまいました。今週末はチャタリングに苦しめられたな、と思います。ただ、そんな中でも、今大会はレース序盤の進め方がよかったし、自分で改善できることはできたと思います。このあとは日本の鈴鹿サーキットで鈴鹿8耐のテストがあります。日本でバイクに乗るトレーニングもできるので、自分のライディングを高め、前半戦の復習をして、7月の連戦に備えていきたいですね」

Result / WorldSBK web site SUPERPOLE RACE1 RACE2

2023 FIMスーパースポーツ世界選手権(FIMスーパーバイク世界選手権)
Round4 Prosecco DOC Catalunya Round レースレポート

Result / Superpole “24番手” Best Time “1分46秒846”
Race1 “22位 ” Best time “1分47秒587” / Race2 “21位” Best time “1分46秒904”

--第2のホームレースでつかんだ、次戦へとつながる進化--

2023.5.8

Race Report

 スーパースポーツ世界選手権(WSSP)第4戦カタルーニャラウンドが、スペインのバルセロナ‐カタルーニャ・サーキットで行われた。岡谷雄太(ProDina Kawasaki Racing/カワサキZX-6R)はこのサーキットで、2020年と2022年にスーパースポーツ300世界選手権(WSSP300)で優勝を飾っている。バルセロナ‐カタルーニャ・サーキットはマドリードに次ぐスペインの大都市、バルセロナ近郊のサーキットで、今年からバルセロナに拠点を置く岡谷にとっては、第2のホームレースとなった。また、カタルーニャラウンドにはロードレース世界選手権に参戦するレース仲間や多数の日本人が応援に駆けつけ、岡谷のレースを後押しした。

 カタルーニャラウンドがWSSP参戦2戦目となる岡谷は、WSSPでの経験を重ねながらレースウイークの中でタイムを上げていった。初日のフリー走行1では“トラブル”により走行終了10分前にピットレーン出口付近でマシンを止めてしまう。しかしそれは、チームが想定していたよりも岡谷がいいラップタイムを刻んだがゆえのこと。残り時間10分を走れずにセッションを終えることになったとはいえ、マイナス要素ばかりのトラブル、というわけではなかった。

 フリー走行1からフリー走行2へと順調にタイムを上げていった岡谷は、土曜日のスーパーポール(予選)で1分46秒846を記録する。初日フリー走行1の自己ベストタイム、1分48秒372と比較して1.5秒、タイムを縮めたことになる。岡谷は8列目24番グリッドからレースを迎えることになった。

迎えたレース1では、1周目に22番手付近に浮上し、3周目には1分47秒587を記録する。その後は、フルタンク状態で行うロングストレートからのフルブレーキングに適応するため、安定したペースをつかむのにやや時間を要した。しかし、タイヤを温存したことでレース後半にペースを安定させ、22位でゴール。

 経験を積んだレース2では、集団でのポジション争いとなった。ライバル同様、レース2の岡谷のレースペースはレース1よりもハイペース。前半は岡谷のねらい通りのペースとなったが、後半は予想外にタイヤの摩耗が早く、ペースをキープすることが難しい状況となって21位でフィニッシュした。訪れる想定外は、岡谷のライディングやレースペースが進化し続けているからこそ直面する、乗り越えるべき壁でもある。前進しているという確かな手ごたえと共に、岡谷は次戦、第5戦イタリアラウンドに挑む。

WSSP第5戦イタリアラウンドは6月2日~4日、イタリアのミサノ・ワールド・サーキット‐マルコ・シモンチェリで行われる。

・岡谷雄太コメント

「予選では目標タイムを出す事が出来、レースでもレース1よりもレース2といったぐあいに走行ごとにタイムを上げる事が出来ました。満足とまではいかないですが、ポジティブなレースウイークでした。このカタルーニャラウンドでは、レースの進め方をより理解し、フルタンク状態のバイクの操作に適応する事ができました。(前戦の)アッセンではそこまで出来なかったのですが、、今回は次のレースに繋がる事を発見出来たので、しっかり進歩しているな、という手ごたえがあります。今年はバルセロナを拠点としているのですが、今回はすごくリラックスして臨むことが出来ましたし、世界を戦う日本人の仲間がすごくたくさん応援に来てくれました。ホームレースのようで、すごくうれしかったです。」

Result / WorldSBK web site SUPERPOLE RACE1 RACE2

2023 FIMスーパースポーツ世界選手権(FIMスーパーバイク世界選手権)
Round.3 Pirelli Dutch Round, レースレポート

Result / Superpole “28位” Best Time “1'40.993”
Race1 “23位 ” Best time “1'41.006” / Race2 “23位” Best time “1’40.239”

--エンジントラブルによる苦境の中で果たした着実な前進--

2023.4.25

Race Report

 スーパースポーツ世界選手権(WSSP)第3戦オランダラウンドがオランダのTTサーキット・アッセンで行われた。2023年シーズン、WSSPにステップアップした岡谷雄太(ProDina Kawasaki Racing/カワサキZX-6R)は、ヨーロッパ開催ラウンドのみに参戦する「ワールドスーパースポーツ・チャレンジ」へのエントリー。開幕戦はオーストラリア、第2戦はインドネシアでの開催だったため、第3戦のオランダラウンドが岡谷にとっての2023年シーズン初戦となった。

 開催地のTTサーキット・アッセンはオランダの北東部に位置し、「Cathedral of Speed(ロードレースの大聖堂)」と呼ばれるサーキットである。その歴史は長く、1925年の公道レース「ダッチTT」から始まり、ロードレース世界選手権(MotoGP)では1949年の初年度から2023年シーズンの現在に至るまで開催されている、ただ一つのサーキットだ。これまでに何度もコース改修が行われており、現在は全長4,542m、右コーナー12、左コーナー6というレイアウトの高速サーキットである。2022年シーズン、スーパースポーツ300世界選手権(WSSP300)に参戦していた岡谷は、このオランダラウンドのレース2で3位表彰台を獲得している。

 WSSP挑戦のスタートは、岡谷にとって厳しいものとなった。状況を困難にした大きな要因の一つは、金曜日午後のフリー走行2に起こったエンジントラブルである。このトラブルによって、岡谷はフリー走行2をほとんど走ることができなかった。

 WSSPのフリー走行は、金曜日に行われる2回のみ。フリー走行は翌日から行われるスーパーポール(予選)とレースに向け、マシンを成熟させる重要なセッションである。加えてWSSPルーキーである岡谷にとっては、1分、1秒でも長く走りたい状況。フリー走行2ではタイムを更新できる手ごたえがあっただけに、手痛いトラブルとなった。

 岡谷はスーパーポールで28番手となり、10列目からレースに挑んだ。土曜日のレース1では前のライダーの転倒もあり、23位でゴール。難しい戦いとなったレース1を踏まえ、日曜日のレース2に向けてセッティングを大きく変更した。

 これが奏功し、岡谷は日曜日朝のウォームアップでこれまでのタイムを大幅に更新する。さらにセッティングを詰めて迎えたレース2では、4周目にこの週末での自己ベストとなる1分40秒239を記録した。レース1よりも速いラップタイムを刻みながら、23番手争いを展開した。しかしレース中盤、右腕の腕上がりの症状が岡谷を襲う。岡谷はこの症状によってアッセンの流れるような高速コーナーの切り返しに苦しみながら、それでも18周を走り切って23位でフィニッシュを果たした。

 WSSP初戦という状況に初日のエンジントラブルも加わり、岡谷にとってひときわ苦しい週末だった。ただ、目標としていたポイント獲得(15位以内)はならなかったものの、初日から確実にラップタイムを縮め、二つのレースを完走したことは、岡谷にとって大きな収穫となった。

・岡谷雄太コメント

 「僕にとってはWSSP初戦でチームとも初レースという状況だったので、やることが多く、走り始めはベースのセッティングがまだ定まっていない状態でした。それに加えてフリー走行2のときにエンジントラブルで止まってしまって、そこで大きく遅れてしまいました。最善は尽くせたとはいえ、万全ではない中での予選だったので厳しい順位となりました。

 レースに関しては、レース1は厳しかったのですが、レース2ではセッティングに関しても走りの面に関してもよくなりました。全体的にはすごく収穫の多いレースだったと思います。次戦カタルーニャはこれまでテストをしてきたヘレス、バレンシアの経験を使えるサーキットだと思うので、もう少しいいポジションで終えられると思います。目標はもちろん、ポイント獲得です」

 

Result / WorldSBK web site SUPERPOLE RACE1 RACE2

岡谷雄太
2023 FIMスーパースポーツ世界選手権(FIMスーパーバイク世界選手権)
World Supersport へ ProDina Racing Teamより参戦

2022.10.21

RELEASE

・岡谷雄太 コメント

Prodina Racing Teamに加入することができて本当にうれしく思います。上のカテゴリーで、カワサキZX-6Rに乗れることにワクワクしています。WSS300で好成績を収めてきたので、次のステップに進むのに適切な時期だと思います。

日本では600ccのバイクでトレーニングすることが多く、今年は鈴鹿8耐でカワサキNinja ZX-10RRを駆ってSSTクラスで優勝しました。だからすでに何度か大排気量のバイクで経験をしています。カワサキファミリーの一員であり続けられることを光栄に思い、嬉しく思います。彼らのサポートに感謝しています。

■2023年度 岡谷雄太 レース活動体制

・参戦レース :FIM SUPERBIKE WORLD CHAMPIONSHIP

・クラス   :World Supersport

・チーム   :ProDina Racing Team

・参戦マシン :Kawasaki Ninja ZX-6R

[2023 FIM SUPERBIKE WORLD CHAMPIONSHIP]
■WorldSSP クラス開催日程

スケジュール(WSBK WEB site)

ProDina Racing Team

https://www.prodina.it

SNS

:@prodina
:@prodinaracing

2022 Race Report

End of Article

Challenge to the Ultimate Dream